抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトは自然言語処理を含む種々の知的情報処理技術の再統合,及び新たな課題の発見と解決を目指して大学入学試験問題の自動解答を目的とする。XML(Extensible Markup Language)形式の試験問題データを入力とし,歴史科目の試験解答器を実現するために行ったリソース整備と自動解答の現状を支援した。まず,センター試験における正誤を判定する問題は質問応答や検索タスクに近く,機械学習のために教科書やWikipediaなどの知識源の利用,キーワードの抽出,スコアリングと解答選択が必要となることを説明した。また,記述式における語句記述問題では歴史問題特有の解答タイプを正しく認識する必要があり,論述問題では,1)重要箇所の抽出,2)重み付け要約,3)抽象的な概念について特定のクエリに沿ってまとめる手法(query-biased summarization)が必要になる。特に,3)の自動化は実現されておらず,高校生の記述式問題での解答行動を調査したところ1),2)の課題解決時に読み取った情報を再構成する方策をとり,かつ適切な答えを作る高校生は少なかった。情報検索ツールを直接的に利用して問題解決を図るような行動をした者が十分な回答を得ており,1),2)が3)の技術習得の足場掛けとする妥当性を再考すべきことを論じた。