抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,標的型攻撃と呼ばれるサイバー攻撃が増加し,深刻な被害が発生する事態となっている。これに対し,マルウェアの侵入防止を目的とした従来対策だけでなく,侵入後の被害を食い止めるための対策が重要視されている。対策の1つとして,企業内ネットワークを複数のサブネットワークに細かく分割し,アクセス制御を行うネットワーク分離設計という手法がある。不必要な通信を遮断することで,マルウェアによる通信を抑制し,その通信の形跡から検知も行いやすくなる。さらに,インシデント時には感染端末切り離し等の効率的な対応が行える等,様々な利点がある。しかし,感染端末の切り離しを行うために運用中のネットワークにおいて管理者の一存で安易に通信の遮断等を行ってしまった場合,業務に深刻な影響を及ぼす可能性がある。本論文では,分離設計がなされたネットワーク内でインシデントが発生した際に,より迅速に適切な対応を行うためのインシデント対応支援システムを提案する。このシステムは,制限する通信の範囲が異なる9種類のアクセス制御をネットワーク設計候補として生成する。また,発生しているインシデントの状況に応じて各候補の対策としての有効性および業務へ与える影響を評価し,ネットワーク管理者に候補の推薦を行う。これにより,迅速かつ適切な対応を行うことが可能となる。(著者抄録)