抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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著者らは都市に生息するモンシロチョウおよびスジグロシロチョウに関し,生態と分布について述べた。モンシロチョウはアブラナ科栽培種を食草にし,成虫の雄と雌は生態が異なる。雄は羽化した場所に留まるが,雌は長距離移動をする。スジグロチョウはアブラナ科栽培種および自生種を食草にし,雌雄の生態に差異はない。これらのチョウについて分子生態学的解析を実施した結果,モンシロチョウにおいては集団内の遺伝的多様性が高く,スジグロシロチョウにおいては集団間の遺伝的多様性が高いことが明らかとなり,これは集団間の遺伝距離からも示された。複数回の試料採集を用いた解析の妥当性を検討した結果,季節集団間の遺伝的差異が明らかとなった。特に,都市集団においては経時的に遺伝的組成が変化する傾向が示された。この変化は,成虫の移動に関連している可能性が考えられ,現在検討中である。