抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿では,徳島県におけるワカメ(Undaria pinnatifida)の生産安定化を目的とした,フリー配偶体を用いたワカメの実用規模の種苗生産法と高水温耐性品種の開発について紹介した。徳島県では,1996年から,フリー配偶体種苗生産法により品種改良などの研究を進めてきた。フリー配偶体を塗布した小型採苗器を培養液の入ったボトル容器に収容し,大型恒温室内で培養した。その結果,大量の種糸を生産することに成功した。この室内ボトル方式に続き,より生産現場で実施しやすい粗放的な種苗生産法として,鳴門地区で従来から用いられている屋外陸上水槽及び大型採苗器を活用する種苗生産法の開発を行った。また,生長が早く早期に収穫量が確保できる高水温耐性品種を開発するため,鹿児島県産の暖海性天然ワカメと鳴門産の在来極早生品種の間で,フリー配偶体を用いた一代雑種を生産し,種内交雑による品種改良を行った。その結果,早期収穫用の新たな養殖品種として実用可能であることが明らかとなった。