抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2009年4月~2014年12月に取得したWorld Wide Lightning Location Network(WWLLN)データセットを使って,チベット高原の雷放電特性を地形との関連で研究した。雷撃の強さを記述するため,90パーセンタイル以上のエネルギーを有する雷撃(7666 J)を強雷撃(S雷撃)と定義し,全雷撃(O雷撃)の総数に対するS雷撃の比を強比(S比)と定義した。チベット高原のO雷放電密度は,解析地域の西部を除いて一般的に高いことを見出した。最低密度帯を,標高約6kmのヒマラヤに沿って及びチベット高原の深い谷に沿って,観測した。最大及び最小密度域は,順に,年最大及び最小雨量を示した。S雷放電もチベット高原で頻繁に出現することが判明し,解析単位の殆どのS比は30%を超え,全球平均値の3倍に相当した。特に,ヒマラヤを含むチベット高原の南部のS比は高く(50%),最小O雷放電密度を有する地帯に対応することを見出した。最大のO雷放電密度は,夏季に,高原レベルより約0.2~1.0km高い標高で出現することを観測した。Nagquソンデ観測所周辺のO雷放電およびS雷放電密度は,Showalter安定指数(SSI)および鉛直風シヤと負相関を示した。S比および平均雷撃エネルギーは,鉛直シヤと負相関したが,SSIとは相関しないことを見出した。(翻訳著者抄録)