抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿は,東日本大震災による避難所開設を行った仙台市立三条中学校で,外国人への避難対応がどのように行われたのか,また,震災後,避難所運営マニュアルや地域防災訓練で外国人支援がどのように見直されたのかを明らかにすることを目的とした。三条中学校学区には,多くの留学生が生活をしている東北大学国際交流会館などがあり,日頃から地域の一員として生活していたが,2011年3月11日に発生した東日本大震災で,指定避難所である三条中学校の体育館へ多くの留学生が身を寄せ,地域住民と共に避難所生活を送った。震災後,避難所で行われた外国人支援について書かれた震災記録集などで,三条中学校での外国人対応の実情や避難所運営にあたった町内会役員などから,外国人支援の課題が指摘された。仙台市は震災後,避難所のあり方や運営体制に多くの課題が見られたことで,各町内会や学校に「仙台市避難所運営マニュアル」を作成・配布し,更に,避難所ごとの避難所運営マニュアル~地域版~(以下“地域版”)の作成を促した。それを受けて,2014年11月1日三条中学校区内の町内会員や留学生,三条中生などが参加した合同避難訓練が実施された。“地域版”で行われた避難訓練には,地域団体としての東北大学留学生課や仙台国際交流協会などが参加,実施された。災害時における外国人支援について,国や地方自治体の「多文化共生」の施策の視点から改善点を明らかにした。特に地域住民とのつながりにおいては,“地域版”に連携が掲げられ,組織の中に位置づけられたことにより,地域の構成員として多くの外国人が暮らす特色ある三条中学校区の避難所運営の改善が図られた。(著者抄録)