抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本文では長い炭素繊維を有する複合材料の破壊機構と疲労限度に関して検討した。一方向の炭素繊維の布にエポキシ樹脂を浸透させた板材から試験片を採取し,スリット試験片の疲労挙動を検討した。応力はリガメントの正味応力で算出し,疲労限度は10
6回に耐える応力で定義した。得られた主な結果は次のとおりである。1)炭素繊維の方向をすべて負荷方向に揃えた場合において,疲労限度が高くなった。しかし,き裂がせん断応力の影響を受け,繊維の方向に沿って進展する不都合な場合があった。2)平滑試験片の疲労限度をスリット試験片の結果から推定した。荷重増加試験による疲労限度の結果にはばらつきがあった。3)繊維方向を負荷方向に揃えた場合の結果を基準にして,負荷方向の繊維の割合から,2方向に繊維方向を配置した試験片の場合の疲労限度を検討した。その結果には,予想される値よりも疲労限度が高い場合には,負荷方向に垂直な繊維による変形の拘束によって強度が増したことが予想される。逆に,予想される値よりも疲労限度が低い場合には,繊維の剥離等の不具合が生じたことが予想された。4)長い繊維を有する複合材料では,複数の荷重増加試験を行うことによって,スリット試験片の結果からも平滑試験片の疲労限度を予想できる可能性があることが期待される。