抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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最近では多くの構造物に従来の溶接やリベットなどの接合部の置き換えや補強のために高分子系の構造用接着剤の使用が期待されている。安全な使用には接合状態(接着層厚さや強度)の健全性を保証する必要がある。供用中の製品や設備において接着性状を評価するには非破壊的評価が必要である。最近では群速度が0のZero-Group-Velocity(ZGV)ラム波を用いた接着性状評価が期待されている。ZGVラム波は,その名の通り波動のエネルギーが伝搬する速度である群速度が0となるラム波である。本文では,厚さが同じ2枚のアルミニウム合金板をエポキシ樹脂系接着剤で接着した試験片を用いて接着せん断強度および微小はく離部とZGVラム波との関係について実験室内で測定した結果を示した。ZGVラム波は伝搬しないラム波であるという特徴から高い空間分解能で高精度な計測が可能であり,特定のモードのZGVラム波の周波数は接着せん断強度と相関があった。また,機械的に接着界面に損傷を与えた場合,損傷が発生したと予想される部位ではZGVラム波のスペクトル強度が低下することが確認できた。つまり,ZGVラム波は接着性状の指標の1つとして期待できる。また,他の研究者の報告によれば線状の集光したレーザを音源に用いればZGVラム波を用いて板材の弾性異方性が評価できることも報告されており,今後は繊維強化複合材料への応用が期待できる。