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J-GLOBAL ID:201602239075616772   整理番号:16A1220690

変異体選択的なアロステリック阻害剤によってEGFR(T790M),EGFR(C797S)による薬剤耐性を克服する

Overcoming EGFR(T790M) and EGFR(C797S) resistance with mutant-selective allosteric inhibitors
著者 (29件):
資料名:
巻: 534  号: 7605  ページ: 129-132  発行年: 2016年06月02日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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上皮増殖因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)であるゲフィチニブ,エルロチニブ,アファチニブは,EGFRキナーゼに活性化変異を持つ非小細胞肺がんの治療薬として認可されているが,すぐに耐性が生じ,中でも最も多いのは,受容体のATP結合部位中に二次的に生じるT790M変異による耐性である。最近開発された変異体選択的な不可逆的阻害剤はT790M変異体に対しても高い活性を示すが,この阻害剤の重要な共有結合形成の相手となるシステイン残基C797に獲得変異が生じると,その有効性が損なわれる。現在使われているEGFR TKIはいずれも,キナーゼのATP部位を標的としているため,これとは異なる作用機序を持つ治療薬の必要性が高まっている。今回我々は,薬剤耐性EGFR変異体を選択的に標的とするが,野生型受容体には作用しないアロステリック阻害剤EAI045を,合理的方法によって見つけ出したことを報告する。この化合物は,キナーゼの不活性型コンホメーション中での調節性C-ヘリックスの移動によって生じるアロステリック部位に結合することが,結晶構造から明らかになった。この化合物はナノモル濃度範囲の低い側で効能があり,EGFRのL858R/T790M変異体を阻害することが生化学解析により明らかになった。しかし単独で使用すると,細胞のEGFR依存性増殖の防止には効果がない。それはこの阻害剤が活性状態では非対称的に結合するので,EGFR二量体の2個のサブユニットに対する効能に違いがあるためである。しかし,EGFRの二量体形成を阻害する抗体治療薬セツキシマブをEAI045と併用すると著しい相乗作用が見られ,キナーゼがこのアロステリック阻害剤に対して一様の感受性を示すことが分かった。EAI045をセツキシマブと併用すると,EGFR(L858R/T790M)や,現在得られるEGFR TKI全てに耐性を示すEGFR(L858R/T790M/C797S)変異体によって進行する肺がんのマウスモデルで効果が見られた。もっと一般的に見れば,今回の知見はアロステリック部位を意図的に標的にする方法が変異体選択的な阻害剤の開発に役立つことを明らかにしている。Copyright Nature Japan KK 2017
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分類 (3件):
分類
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腫ようの実験的治療  ,  呼吸器の腫よう  ,  抗腫よう薬の基礎研究 
タイトルに関連する用語 (3件):
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