抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2012年に固定価格買取制度(FIT)が施行されて以来,1個所で年間数万~十数万規模を消費する木質バイオマス発電所の建設が相次いでいる。しかし木質バイオマスにはカーボンニュートラルという特徴がある一方で,高含水率,低発熱量,低かさ密度などの欠点を有している。トレファクション(焙煎)は「減酸素雰囲気下200~300°Cで行う熱処理」と定義され,発熱量,耐水性,粉砕性を向上でき,ペレット化との組み合わせで体積あたりのエネルギー密度を最大化できる。トレファクションによる木質バイオマス燃料の高性能化のためにトレファクション処理実証プラントが建設され,2015年度から連続的な製造試験が開始された。予備試験の結果は,次のとおりである;(1)粉砕に要する消費電力は,トレファクションチップでは未処理チップの1/4以下であり,粉砕エネルギーが大幅に低下する(2)トレファクションペレットのかさ密度は743kg/m
3と木質ペレットの品質規格の上限値に近く,含水率は1.3%とほぼ無水率に近い。これは,ペレット成型温度が高いことも影響している。(3)トレファクション燃料は吸水しにくい性質を持ち,結露,高湿度などの劣悪な環境下でも貯蔵・保管がしやすい特徴がある。