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J-GLOBAL ID:201602250313625136   整理番号:16A0513768

中国・内モンゴル自治区西部における地形形成環境と土地利用-阿拉善左旗烏蘭布和沙漠東縁の事例 その1-

著者 (5件):
資料名:
巻: 68  号:ページ: 31-43  発行年: 2016年05月25日 
JST資料番号: L3306A  ISSN: 0916-7889  資料種別: 逐次刊行物 (A)
発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
抄録/ポイント:
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本研究は内モンゴル自治区西部阿拉善左旗東縁地域を事例として,周辺に卓越する地形プロセスに着目した土地環境条件を明示するとともに,地域農業の営農状況と環境政策の受容プロセスを明らかにした。烏蘭布和沙漠東縁にて,8ka頃の河成段丘面離水期以降,砂丘地の拡大が継続している。砂丘地前縁位置は過去数千年間で10-1~100m/yr,1960年代以降,場所により100~101m/yr程度の移動速度が見積もられる。砂丘地拡大により段丘面はほぼ埋没し,当地の農地利用は,地下水位の極めて浅く土壌塩性化の生じやすい黄河氾濫原上に限られる。砂丘地拡大に伴う草地縮小の影響を受けていた牧畜業は,1990年代中盤以降,主要生業として換金性の高いヒマワリ生産に変化した。その集中的な作付は,地力・収量の低下や病虫害,化学肥料の多投,塩害などの土地環境資源に対するリスクと,冬季湛水による農地維持策との均衡保持が必要とされるが,現在,そのバランスは徐々に崩れつつある。禁牧などの環境政策は所得保障の性格が強いため,環境資源の持続性を確保するには,土地環境条件と住民の生計維持行動とを考慮した政策適用が必要である。(著者抄録)
引用文献 (17件):
  • 内蒙古地下水ヒ素汚染研究グループ(2007):中国内蒙古河套平野の地下水ヒ素汚染.地団研専報,56,地学団体研究会,125 p.
  • 大月義徳・西城 潔(2015):内モンゴルにおける沙漠化および土地条件劣化に関する地形プロセス.「現代中国・内モンゴルにおける地域環境変動のダイナミズム」札幌学院大学総合研究所BOOKLET, 7, 76-84.
  • 大森博雄・贾 恒义(1990):中国黄土高原清水河上流域の黒色腐植土層の形成期と更新世末期以降の環境変化.地学雑誌,99, 307-329.
  • 楠田哲也(2007):黄河流域の水利用・管理の高持続性化.独立行政法人科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業チーム型研究CREST平成18年度研究終了報告書,114 p.
  • 久米 崇・長野宇規・渡邉紹裕・三野 徹(2004): 多点塩分観測による除塩灌漑効果の検証.農業土木学会全国大会講演要旨集,308-309.
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