抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ソフトウェア開発プロジェクトの成功可否を適正に診断できれば,失敗したプロジェクトを特定できる。更に失敗プロジェクトの失敗原因を究明して対策を次期プロジェクト計画に織り込むことによりプロジェクト成功度の組織的な向上を図れる可能性がある。先行研究ではプロジェクトの成功要因や成功可否の診断手法などが提案されている。しかし,成功可否の評価がアンケート調査による主観評価に基づくために分析結果の信頼性が乏しいという課題があった。近年,IPA/SEC(独立行政法人情報処理推進機構技術本部ソフトウェア高信頼化センター)により国内の多くのソフトウェア開発プロジェクトの実績データの収集と蓄積が進められている。筆者らは先行論文で,この実績データを分析してプロジェクトの成功度と成功要因間の定量的な関係を解明した。そこで,本論文ではデータの信頼性が高く,開発期間中に仕様変更が発生しなかったプロジェクト完全データを抽出し,成功可否に関係する属性データの実績値から成功可否を推定するモデルを開発した。更に,開発したモデルを開発期間中に仕様変更が発生したプロジェクトを含む不完全データに適用し,プロジェクトの成功可否を診断する手法の有効性を検証した。本論文ではプロジェクト成功可否の基本概念及びプロジェクト成功可否診断手法の検証結果と有効性について述べる。(著者抄録)