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J-GLOBAL ID:201602251789528879   整理番号:16A0402671

実験用マウスは環境の正常化によって成人免疫系の特徴を再現するようになる

Normalizing the environment recapitulates adult human immune traits in laboratory mice
著者 (16件):
資料名:
巻: 532  号: 7600  ページ: 512-516  発行年: 2016年04月28日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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我々が現在持っている免疫学の知識は,主に実験用マウスで明らかにされたものである。その理由の一部は,このようなマウスが近交系で遺伝的に均一であり,遺伝学的操作が可能で,疾患の発症時から組織の動態解析を行うことができ,また扱いやすい疾患モデルとして使用できるからである。ヒトでマウスと同程度の還元主義的実験を行うことは,技術的にも倫理的にも不可能である。しかし,ヒト免疫系の問題となる特徴を実験用マウスが再現していないのではないかという懸念は徐々に高まりつつあり,もしそうだとすれば,疾患治療の基礎研究での成果を臨床へと持ち込むトランスレーショナル研究の複数の失敗が説明できるかもしれない。実験用マウスは異例に衛生的な特定病原体除去(SPF)状態を維持できるバリア施設で飼育されている。今回我々は,実験用マウスの標準的な飼育法が免疫系に大きな影響を及ぼすこと,また環境変化によって免疫系が成人のそれにより近いマウスが作製されることを示す。実験用マウスは,ヒト成人ではなく新生児に似ていて,エフェクターに分化して粘膜に分布する記憶T細胞を欠いている。このような細胞集団は,自由生活を行い集団居住していて,多様な微生物に遭遇した経験のある野生マウスやペットショップで飼育されているマウスの個体群に見られ,実験用マウスをペットショップ・マウスと同居させると誘導された。つまり,このような細胞の誘導には環境が関与すると考えられる。マウスの生活環境の変化は,自然免疫系および適応免疫系の細胞構成に大きく影響し,血液細胞の遺伝子発現パターンに全体的な変化が生じて,新生児ではなく成人の免疫シグネチャーをより正確に反映するパターンとなり,感染への抵抗性を変化させ,de novoウイルス感染に応答して起こるT細胞分化に影響を及ぼした。これらのデータは,基礎的な免疫状態および感染への応答に対する環境の影響をはっきり示すとともに,生理的に起こる微生物曝露を実験用マウスで復活させることが,ヒトを含む自由生活生物での免疫学的事象をモデル化するための適切な方法となることを示唆している。Copyright Nature Publishing Group 2016
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分類 (1件):
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生体防御と免疫系一般 
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