抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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1。グローバル化を進めれば進めるほど,収益性が悪化している日系企業は少なくない。要因の一つは,不確実で多様な市場,複雑化するサプライチェーンに,日系企業特有の「人依存」のマネジメントが対応し切れておらず,サプライチェーンマネジメント(SCM)が非効率化していることにある。本論では,SCMのうち,供給体制にフォーカスを当てる。2。欧米先進企業は,新興国特有の環境変化に適応し,売上拡大と収益性の維持向上を両立すべく,SCM組織の設置を含めた全社改革を推進している。ポイントは,1)事業・地域横断型のSCM部門設置と地域への権限委譲,2)デリバリーのメニュー化を通した顧客基点SCMの実現,3)業務・IT・人材面における仕組み整備である。3。日系企業にとっては,これらの改革を進める際,現場レベルにおいて組織間の連携をいかに実現するかが大きな悩みとなる。1)改革テーマの優先順位付け,2)KPIによる目線合わせと見える化,3)トップダウンとSCM専門組織による推進,が有効である。4。本論ではまた,具体的な取り組み課題として,複数の国を内包する地域ではSCMの地域統括拠点を設置すること,および,SCMの基点となる市場の見える化の観点からの営業・代理店改革のあり方を見直すことが有効である点も説明する。5。このように,SCM改革推進を経営上の重要な戦略とし,仕組みによるアプローチでグローバルSCMを実現する,サプライチェーン・グローバルオペレーティング・モデルを構築することで,日系企業においてもグローバル経営を高度化できる。(著者抄録)