抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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沖縄県にパヤオが導入されて以降,沖縄のカツオ漁の漁場はパヤオ(浮魚礁)が中心的となっている。パヤオはカツオなどの魚類が漂流物に蝟集する習性を利用した集魚装置である。ところが,2015年には,そのパヤオに対してカツオ群が蝟集しないという状況が漁業者の間から多数聞かれた。こういった状況下のカツオ漁においては,パヤオ以外の利用が想定されると推察される。本稿では,こうした状況に対して,沖縄県内のカツオ漁操業地域である本部町と伊良部島の2地域を事例に,カツオ群のパヤオへの蝟集状況悪化に対する,それぞれの地域における漁場利用の実際に着目しながら,各地域の対応について報告する。その結果,本部町ではパヤオの利用に固執し,伊良部島では鳥付カツオや野天カツオの探索,ソネの利用というようにパヤオ以外の漁場を求めていたことがわかった。こうした背景には,本部町では餌料不足や操業体制,根拠地と漁場との地理関係によって,パヤオを利用せざるを得ない状況にあった。伊良部島では従来,パヤオの利用を補完する装備である海鳥レーダーによって,パヤオ以外を回遊する鳥付カツオ群の探索を可能にしたことで,カツオ群のパヤオへの蝟集状況悪化に対応した。(著者抄録)