抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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花火大会やスポーツ大会等の大規模イベントでは,多数の参加者による群集雪崩のような雑踏事故発生の可能性があり,雑踏警備による混雑発生の早期発見と抑制が必要である。従来の雑踏警備では,現場の警備員からの主観的な情報を収集して判断するため,状況判断,警備指示は警備員の経験に大きく依存し,大規模イベントでは,適切な警備が困難になっている。三菱電機では,監視カメラ映像の解析と可視化によって,雑踏警備をITで支援する技術開発を進めている。映像解析によって混雑状況を数値化し,地図上で可視化して提供することで,混雑状況の判断・予測,それに基づく適切な警備指示を可能にする。カメラ映像の解析技術として,ある区間の通過人数を推定する人流量解析方式と,群集が移動できず滞留状態にあることを検知する滞留検知方式を提案する。群集映像を用いて評価した結果,前者で人流量誤差9%,後者で滞留状態検知正解率93%が得られ,適切に混雑状態を判断する可能性を確認した。両方式とも,低演算量が特長であり,監視カメラ内のプロセッサで十分に処理可能である。映像解析をサーバで実施する方式に比べ,解析のための映像伝送が不要で,データ量の小さい解析結果のみを伝送することができ,大規模イベント警備のための無線通信を用いた一時的なシステムも容易に構築可能である。今後,既に開発したマルチホップ無線技術,俯瞰(ふかん)映像合成技術等と組み合わせ,雑踏警備のIT支援を進めていく。(著者抄録)