抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
岡山県久米郡柵原地域に分布する白亜紀火山岩類は,既存の重力異常データから,狭い範囲に厚い火山岩類が分布しているとみられ,コールドロンの存在が予想された。しかし,地質構造の詳細は不明であった。本研究では,コールドロンの存在が示唆される地域の南東縁辺部の地質調査を行い,その地質構造やコールドロンの有無について考察した。調査地域に分布する白亜紀火山岩類は南に下位層が分布し,北に向かって順次上位層が重なっている。これらは基盤岩類との境界付近で急傾斜を示し,北にプランジした半盆状構造をなしている。白亜紀火山岩類と基盤岩類との境界には,石英斑岩・ヒン岩・閃緑岩などの細く長く続く岩脈が貫入しており,コールドロン縁にしばしばみられる環状岩脈と見なされる。火山岩類にはしばしば再堆積性の火砕岩が挟在し,溶結凝灰岩を堆積した火山活動の合間に複数回にわたって湖水が出現したことを示している。すなわち,盆状構造と環状岩脈を伴う火山性陥没盆地を火山岩類が埋積していると考えられ,火山岩類と貫入岩類とを合わせてコールドロンを構成している言える。