抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2010年のSTCW条約マニラ改正が2012年1月に発効し,5年の歳月を径て2017年1月に完全実施となる。本文では舶用機関士の教育に視点を置き,海外の教育機関がマニラ改正に合わせてどのようにERM訓練に対して準備をすすめているのか,その中でも特徴あるものを紹介する。STCW条約及びコード附属書第VIII章2節第3部(当直維持の一般原則)に,「当直は,ブリッジ及びエンジンルームリソースマネージメント(ERM)の原則に基づいて行わなければならない」と規定された。どの分野の事故においても原因の多くは人的要因によるものが圧倒的に多く(60%~80%以上など諸説あり),鉄道や医療などの分野でもリソースマネージメント訓練をもとにした訓練が取り入れられている。海外の海事教育機関では,STCW条約及びコード附属書第III章,運用水準における舶用機関技術の能力要件表(1)に,挙げられている次の5項目を学生に理解させることを目標にERM訓練の導入に取り組んでいる。1)リソースの配置,任務及び優先順位決定,2)効果的コミュニケーション,3)明確な意思表示とリーダーシップ,4)状況認識力の習得と維持,5)チーム構成員の経験の活用。ハード面の整備を実施していなくてもソフト面の整備に注力することで,ERM訓練を導入する準備は十分可能である。DVD教材などを活用してERM訓練を提供している教育機関もいれば,既存のシミュレータ訓練のシナリオを改良し,ERM訓練に備えている教育機関も存在する。