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J-GLOBAL ID：201602263543725820   整理番号：16A1134194

合成系統豚維持群の血統解析および繁殖形質における近交退化と遺伝的パラメータの推定

Analyzing Pedigree and Estimating Inbreeding Depression and Genetic Parameters of Reproductive Traits in a Synthetic Pig Strain

著者 (7件)： 永井健一 (東京農大 農) ,  兵頭勲 (東京都農林水産振興財団 青梅畜産セ) ,  小嶋貞夫 (東京都農林水産振興財団 青梅畜産セ) ,  宇杉央 (東京都農林水産振興財団 青梅畜産セ) ,  野村こう (東京農大 農) ,  高橋幸水 (東京農大 農) ,  古川力 (東京農大 農)
資料名： 日本養豚学会誌  (Japanese Journal of Swine Science)
巻： 53  号： 3  ページ： 95-104  発行年： 2016年10月18日 
JST資料番号： Y0196A  ISSN： 0913-882X  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 我が国の養豚では三元交雑による肉豚生産が一般的であるが,単なる個体の組合せでは生産物にバラツキが生じてしまう。そこで遺伝的斉一性や生産性を向上させるために,閉鎖群育種による系統造成が行われている。トウキョウXはバークシャー種,デュロック種,北京黒豚を基礎品種に旧東京都畜産試験場で造成され,1997年に系統認定された日本初の合成系統豚である。トウキョウXは系統認定後17年を経過しており,近交度の蓄積による近交退化が危惧されている。そこで血統情報から実際の平均近交係数(F),任意交配時の平均近交係数(f),平均血縁係数(R)および遺伝的寄与率を算出し,遺伝的多様性を評価した。また正規線形モデルの共分散分析により総産子数(TNB),分娩頭数,生産頭数(NBA),死産頭数(NBD),黒子数,哺乳開始頭数,哺乳中死亡頭数および離乳頭数(NW)に対する母豚,父豚,産子の近交度の影響を分析し,TNB,NBA,NBDおよびNWについて遺伝率を推定した。解析データはトウキョウXの血統記録(1990年~2014年)および分娩記録(1997年~2014年)であった。F,fおよびRは1997年ではそれぞれ6.9%,9.3%および20.0%であったが,2014年にはそれぞれ11.8%,14.7%および26.6%まで上昇した。認定豚の雄の遺伝的寄与率は2000年頃から偏りが生じ始め,2004年以降はおおむね横ばいであった。寄与率の推移は個体により大きく異なり,雌の遺伝的寄与率でも類似した結果を示した。共分散分析において,各近交度の効果は全形質において5%水準では有意性を示さなかったが,母豚の近交度の上昇に伴い繁殖性が低下する傾向がみられた。特にTNBの母豚の近交係数に対する回帰係数から,近交係数10%上昇あたりTNBが0.88頭減少する傾向がみられた。遺伝率はTNB,NBA,NBDおよびNWでそれぞれ0.11,0.07,0.03および0.05と推定された。繁殖形質に育種改良の余地があるか更なる検証が必要である。(著者抄録)

シソーラス用語： *ブタ ,  肉畜 ,  生物多様性 ,  評価 ,  係数 ,  比率 ,  生殖能力 ,  性質 ,  *遺伝病 ,  *パラメータ ,  パラメータ推定 ,  解析 ,  品種差
準シソーラス用語： *トウキョウX ,  遺伝的多様性 ,  遺伝的寄与率 ,  繁殖形質 ,  *近交退化 ,  *遺伝的パラメータ ,  血統解析

分類 (2件)： 豚  (FD02040U) ,  飼育動物の育種  (FD01020R)

引用文献 (25件)：

• 阿部猛夫:1987,わが国豚系統の造成とその利用,日畜会報,58,545-562.
• ADAMEC, V. and R.K. JOHNSON:1997, Genetic analysis of rebreeding intervals, litter traits, and production traits in sows of the National Czech nucleus, Livest. Prod. Sci., 48, 13-22.
• 新井忠夫·安田正勝·林 隆·佐野 修·宮部潤一·工藤 修:1982,系統豚「ローズ」の維持集団における血統調査,日豚研誌,19,180.
• BERESKIN, B., C.E. SHELBY, K.E. ROWE, W.E. URBAN, JR., C.T. BLUNN, A.B. CHAPMAN, V.A. GARWOOD, L.N. HAZEL, J.F. LASLEY, W.T. MAGEE, J.W. NCCARTY and J.A. WHATLEY, JR.:1968, Inbreeding and swine productivity traits, J. Anim. Sci., 27, 339-350.
• FARKAS, J., I. CURIK, L. CSATÓ, A. CSÖRNYEI, R. BAUMUNG and I. NAGY:2007, Bayesian inference of inbreeding effects on litter size and gestation length in Hungarian Landrace and Hungarian Large White pigs, Livest. Sci., 112, 109-114.

タイトルに関連する用語 (9件)： 系統 ,  豚 ,  血統 ,  解析 ,  繁殖形質 ,  近交 ,  退化 ,  遺伝的パラメータ ,  推定