抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
日本で発生するイネウンカ類は,トビイロウンカ,セジロウンカ,ヒメトビウンカの3種がある。イネウンカ類3種の生態と移動特性,近年の発生状況,多発生の主要要因である薬剤抵抗性の状況について概説する。トビイロウンカとセジロウンカの宿主植物はイネ属に限られるが,セジロウンカはイネ以外にもコムギ,イタリアンライグラスや越年生のイネ科雑草など多くの植物を宿主として利用する。イネウンカ類はアジア地域の国をまたいで長距離を移動する。セジロウンカとヒメトビウンカはイネのウイルス病を媒介することからも重要である。2000年代中頃からの多発生の要因は,殺虫剤抵抗性によるものである。やっかいなのはイネウンカ3種それぞれに,種によって,国や地域によって,異なった殺虫剤に対して抵抗性を発達させていることである。イネの抵抗性品種の利用や生態系サービス(天敵など)を活かした害虫管理を目指す研究を加速する必要がある。