抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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国立研究開発法人日本原子力研究開発機構では,福島第一原子力発電所事故の発生後,KURAMA及びKURAMA-IIモニタリング装置を用い,東日本の1都12県の広い範囲にわたり走行サーベイを実施してきた。本報告では,測定地域(土地利用状況の違いや当初空間線量率の高低)による空間線量率の経時変化の違いを調べるため,測定時期の異なる走行サーベイ間での県平均空間線量率の比をとるとともに,100mメッシュ単位で空間線量率比の分布マップを作成した。第1次走行サーベイ(実施時期:平成23年6月)から第4次走行サーベイ(同:平成24年9月)及び第7次走行サーベイ(同:平成25年11月)までの空間線量率の変化を第1次走行サーベイ時点の空間線量率により区分し調べた結果,福島県と栃木県の空間線量率(各県平均)変化率は類似しているが,空間線量率0.5μSv/h未満の比較的低い範囲では,宮城県の空間線量率の減少が福島県や栃木県より早い特徴が見られた。福島県,栃木県及び宮城県内での100mメッシュごとの空間線量率の比(第1次走行サーベイに対する第7次走行サーベイの比率)をマップ化して調べた結果,地域により,また道路によっても空間線量率の減少傾向が異なることが分かった。特に福島市などの人口の大きな市街地では,人口密度が高く自動車の走行量が多い中心部ほど空間線量率の減少が物理減衰に比べて早いことが分かった。他方,積算線量率比の空間線量率に対する依存性と同様に,第1次走行サーベイ時点の空間線量率が低い地域の道路では空間線量率の減少率は小さいことが分かった。(著者抄録)