抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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農研機構農村工学部門のミッションの一つは,農村地域におけるバイオマス利用システムの構築を支援することにある。この活動の中から,農家集団の協力もあり,バイオマスのメタン発酵処理で必然的に残存する消化液は,肥料として有用活用できることがわかり,メタン発酵を農村地域に導入する「決め手」となる確信を得た。なお,これを施用して作物を栽培した場合の収量・品質の確認は,コマツナ・ホウレンソウの栽培試験で実証し,加えて,消化液の農地への環境影響の安全性は,地下水汚濁の可能性の指標となる溶脱量も化学肥料と同等であることから確認した。しかしながら,現状の消化液では無料でも農家が使ってくれるかが疑わしい。なぜなら,アンモニア性窒素を基準にして化学肥料を消化液に切り替えるとすれば,必要重量が約80倍にもなり,大変な輸送・施用コストがかかるからである。仮に,消化液を肥料利用する場合に必要な設備や機材を示したうえで,消化液の輸送・散布作業をシミュレーションするプログラム「輸送・散布モデル」を紹介した。最後に,利用促進に資するため,消化液の濃縮・減量の可能性を試みていることについて触れた。