抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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(株)雪国まいたけは,創業者の強いリーダーシップの下,30年にわたって業界を牽引してきたが,経営者の交替となった。本稿では,この例を中心にガバナンスの在り方について考察した。まず,同社の成長戦略と,競合企業の登場で価格低落を余儀なくされたことなどを述べた。次に,そうした中,工場の歩留まり低迷などによって営業赤字となり,2013年に内部告発によって不適切な会計処理が判明し,違法配当の疑いが生じ,経営権をめぐっての争いが生じたことを述べた。次に,こうしたガバナンスについて,1)大株主としての創業者,2)メインバンクによる規律付け,3)取締役会の役割と限界という視点からの考察を述べた。最後に,同族企業におけるガバナンスへの示唆として,1)社外取締役の導入の義務付けもその任命権を創業家が持つ場合,ガバナンス向上に寄与しない,2)上場しても,資金調達を負債に依存して株式による資金調達に消極的な場合では,公の存在という認識が不十分になりがちである,ことなどを指摘した。