抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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日本信頼性学会・故障物性研究会では,電子機器製造,電子部品製造,故障解析受託,電子機器ユーザ,研究機関などさまざまな立場から電子機器や電子部品の故障現象に携わる人が集まり,定例会などを行っている。通常,電子機器や電子部品において発生した不具合現象は,故障解析により原因究明し,原因に応じた対策を講じて,再発防止が行われる。しかし,不具合現象が再現できない(不再現現象と呼ぶ)と,原因の特定ができず,適切な対策が行われないため,不具合が再発する可能性を残してしまう。したがって,不再現の低減を行うことが重要と考え,研究会の中に不再現現象分科会を立ち上げ,不再現現象の共同研究を行ってきた。REAJ第27回シンポジウムでは,電子機器の動作マージン不足や環境の変化,および部品の欠陥により故障現象が不安定・回復することにより不再現になることをLSIの動作マージンやウィスカなどの事例をもとに述べた。R&MS第45回シンポジウムでは,不再現現象を現象確認,故障解析,再現実験の3段階のステージで定義し,それぞれにおいて,間欠要因,環境要因,情報要因に分類し,対策方法を述べた。現象確認,故障解析,再現実験の3段階のそれぞれのステージにおいて,故障現品そのものの変化や様々な外的要因の変化により,不再現現象は発生する。しかし,故障解析の実施者は,それらの変化のコントロールが困難なため,不再現現象を少しでも低減させるには,解析者自身がレベルアップし,原因推定の確度向上や解析ミスの低減を図ることが必要である。そのために,故障に関する知識やノウハウを継承し解析技術力を向上につなげるため,不再現現象に関連した故障メカニズムや故障事例のリストアップを行い,それらの対策や再発防止を含めて体系化した。(著者抄録)