抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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高齢化社会に適した環境整備において,高齢者や障害者にとっても移動しやすい歩道の整備は必須であり,そのためには歩道のバリアフリー度について定量的に評価できる指標が必要である。本研究では,歩道の移動における物理的な困難さを定量的に評価できる指標を提案する。歩道における移動の困難さを,基準とする路面の縦断傾斜角度によって表現する指標を考案した。これによって,縦断勾配・横断勾配・路面の凹凸・材質などの路面上の障害物を個々に測定することなく,歩道移動時の物理的負担度を定量的に評価することができる。本論文で考案した指標の測定精度を,電動車いすをベースとした測定装置によって手動車いす移動時の仕事量を推定することによって検証した。検証実験の結果,手動車いすの仕事量の推定値と実測値の誤差は傾斜の大きい横断勾配路面や走行抵抗の大きな路面であっても平均15.1%以下であり,推定値と実測値には強い相関関係が認められた(r>0.93,p<0.01)。人の身体的負担度と心理的負担度についての対応については課題を残すが,本研究の提案する指標は歩道移動における物理的な負担度を定量的に評価できる指標として有用なものであると考えられる。(著者抄録)