抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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転び型倒伏を予測するためには,根と土の混在する領域(以下,「根混じり土」と呼ぶ)のせん断強度を把握することが重要である。土のせん断強度は,粘着力と内部摩擦角により表現され,これらを強度定数という。強度定数を簡易に計測できる試験に,一面せん断試験がある。根混じり土の強度定数は土の強度定数に根による補強効果を加えた値として理解されるが,作物の根混じり土の強度定数および補強効果の計測例は少ない。本研究では,作物根を含む根混じり土のせん断強度を把握することを目指し,コムギ根混じり土を対象に,異なる土壌水分と根含有量を有する試料に対して,一面せん断試験により強度定数の測定を試みた。測定では,根混じり土および土の不撹乱試料を同一圃場内より採取し,含水比を調整して供試した。結果として,地際部断片を含む試料において試験精度の低下が確認されたほかは,含水比や根乾物含有量の違いによらず,高精度で強度定数を得ることが可能であった。また,根による土の補強効果は,主に粘着力の増加として認められ,現地含水比では10~25kPa程度の増加が確認されたが,高含水比(塑性含水比)ではほとんど認められないことが明らかとなった。(著者抄録)