抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では19世紀アメリカのハイスクール教科「生理学」の学習内容の変遷を歴史的に吟味した。当時用いられていた教科書や各種史料を用いて研究を行った結果,教科としての「生理学」は学習内容やねらい,アプローチ等の特徴によって3つの時代に区分できた。19世紀を通して,「生理学」教科書で扱われる対象が動物界全体からヒトのみへ,実験主義思想の芽生え,実生活との関連の扱いの変化,タバコやアルコールの害に関する扱いの変化,宗教的・道徳的側面の衰退等が確認された。また,これらの変化は,人々の劣悪な生活環境,temperance思想の大衆化,教育行政の影響等の要因によって解釈された。今後の課題として,19世紀末から20世紀初頭に生物学関連の各種教科が生物学へと収斂する過程を明らかにすることの必要性があげられた。(著者抄録)