抄録/ポイント:
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本研究は,iso-PyrrMeBox(ビス(オキサゾリニルメチリデン)ピロリジニド)ピンサー配位子を有する,T字型ニッケル(I)錯体[Lig
iPr(iso)Ni](1b)と,そのCO付加物[Lig
iPr(iso)Ni(CO)](2b)の電子構造のより深い理解と,この配位子の種類の種々のニッケルペルオキソ種の自動酸化のメカニズムへの洞察を提供することを目的とする。COは,錯体1bと可逆的に反応し,対応するCO付加物2bをもたらすことが判明した。EPRデータとDFTモデリングの結果は,1bと2bの電子構造における大きな差を明らかにした。[Lig
Ph(iso)Ni]と[Lig
iPr(iso)Ni](1aとb)の二酸素との反応は,過酸化水素と反応してヒドロペルオキソ錯体[Lig(iso)NiOOH]5aとbを提供する,1,2-μ-ペルオキソ錯体[Lig(iso)NiO]
23aとbをもたらした。O
2の存在下でのペルオキソ種3aと5aの熱好気性分解は,オキサゾリン環のベンジル位での配位子のC-H活性化をもたらし,ジアステレオマーの環状ペルオキソ錯体6と6′を形成した。1,2-μ-ペルオキソ錯体3bに関して,O
2の非存在下でのピンサーの自動酸化はiPr基の三級C-H結合で発生し,末端ヒドロキソ錯体[Lig
iPr(iso)NiOH]7bと,環状アルコキシ錯体8の等モル量での選択的形成をもたらし,一方酸素の存在下では7bとともに対応する環状ペルオキソ種9が形成した。標識実験を行うことにより,9の生成においてO-O結合の開裂が発生したかどうかを明らかにし,変換が初期のO-O結合の開裂に関与しないことを示す。これらの観察と一連の化学量論的変換に基づき,3bの嫌気性と好気性分解に関与するプロセスに関する暫定的な提案を行った。最後に,ニッケル(II)メチル錯体[Lig
Ph(iso)NiME]14はO
2と反応し,メタノールの半等量とともに,ホルマトとヒドロキソ錯体の[Lig
Ph(iso)NiOOCH]16と,[Lig
Ph(iso)NiOH]7aのほぼ等量の混合物にゆっくりと変換する,メチルペルオキソ錯体[Lig
Ph(iso)NiOOMe]15を提供する。ホルマト錯体16自体は,高温でCO
2,二水素,およびニッケル(I)種1aに分解した。Copyright 2017 Royal Society of Chemistry All Rights reserved. Translated from English into Japanese by JST