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J-GLOBAL ID:201602286777050986   整理番号:16A1268957

熱帯林の人為的撹乱は森林伐採による生物多様性喪失を倍増させる可能性がある

Anthropogenic disturbance in tropical forests can double biodiversity loss from deforestation
著者 (39件):
資料名:
巻: 535  号: 7610  ページ: 144-147  発行年: 2016年07月07日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 短報  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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森林伐採の抑制にはこれまで政治的関心が協調して注がれており,伐採抑制は今なお大半の生物多様性保全戦略の土台となっている。しかし,森林被覆度を維持しても森林の人為的撹乱が抑制されない可能性があり,このことが保全計画で考慮されることはめったにない。こうした撹乱は,森林内では選択的な伐採や山火事などによって,景観レベルでは周縁効果や面積効果,隔離効果を通じて生じる。今のところ,残存する原始林の保全価値に人為的撹乱が与える複合的な影響は分かっておらず,そのため,森林撹乱と森林喪失の相対的重要性を評価することができずにいる。今回我々は,こうした知識の空白を埋めるため,ブラジル・パラー州の36の集水域で採集された植物1538種,鳥類460種,および食糞性コガネムシ156種の大規模なデータセットを用いて,評価に取り組んだ。69~80%を超える森林被覆度を保持している集水域では,森林喪失より撹乱によって失った保全価値の方が大きかった。例えば,ブラジルの森林法では,アマゾン川流域の所有地における森林伐採は原始林の20%までが許されているが,この上限の森林喪失で失われる保全価値は39~54%となり,撹乱の影響を考慮せずに予測された保全価値の喪失を96~171%上回っていた。我々は,撹乱による保全価値喪失を,ブラジルのアマゾン川流域の25%を占めるパラー州全域に外挿して推定した。撹乱された森林は,森林伐採地域と比べればかなりの保全価値を保持していたが,パラー州の保護が厳しい地域以外での撹乱による損失は,9万2000~13万9000km2の原始林の喪失に相当する。この推定は,最小値でも2006~2015年にブラジルのアマゾン川流域全体で伐採された森林の面積を上回っている。種分布モデルからは,景観レベルの撹乱と森林内の撹乱の両方が生物多様性喪失に関与しており,それらによる負の影響を最も大きく受けるのは,保全価値および機能的価値の高い種であることが明らかになった。以上の結果は,熱帯林生態系の極めて高い多様性を守るためには,森林被覆度の維持だけにとどまらない政策的介入が緊急に必要であることを示している。Copyright Nature Japan KK 2017
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分類 (3件):
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森林生物学一般  ,  生態系  ,  環境問題 
タイトルに関連する用語 (5件):
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