抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ニホンジカの生息や被害の状況を調査し,森林への被害軽減手法を検討した。ホームページを活用したアンケート調査では,シカの分布が愛知県の瀬戸市以東の中山間地ほぼ全域に分布が広がることが確認された。ライトセンサスを春,夏,冬の各2回実施し,シカの観察頻度は0~5.8頭/kmで豊根と作手で多く,牧草地,草地・田畑,森林の順で多かった。区画法を秋に2回実施し,生息密度は豊根で4.4~14.8頭/km
2,作手で7.0~20.6頭/km
2,豊田で0~18.4頭/km
2であった。自動撮影カメラ調査では,21ヶ月で豊根2,698回,作手1,470回,豊田354回,上吉田67回のシカが確認された。新城および豊根で計11個体にGPS首輪を装着し,行動圏を調査した。一部の個体で季節移動も確認されたが,日常の行動圏は牧場や集落周辺のごく限られた狭い地域であった。これらの結果,県内既存のシカ調査結果及び植生等のGISデータを階層ベイズ法で解析し,2015年度で県内のシカ生息数は約23,000頭と推定された。アンケート調査からは,愛知県の中山間地ほぼ全域で森林被害が発生していることが確認された。シカの密度低下手法としては,密度が高い地域において,餌場となっている牧場地や集落の草地周辺で捕獲を実施することで効率的な密度軽減と周辺の森林への被害を抑制できると考えられた。(著者抄録)