抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本報告は,中山間地域を多く擁する岐阜県飛騨地域における農業集落を対象に農業構造と集落特性の変容を解明し,遊休農地(「耕作放棄地+不作付地」)の発生要因を特定しつつ,地域における遊休農地の発生抑止と解消に向けた具体的な取組から,土地資源の継承のあり方,資源の利・活用や遊休農地の発生抑止も含めた地域農業の保全・再生への方向性について検証した。その結果,以下のような結論が得られた。第一に,主成分分析の結果より,岐阜県飛騨地域における2000年の農業集落は“兼業農家の指向性”(相対的に大規模な第1種兼業農家-小規模な第2種兼業農家)という農家経済の特性と農業集落内部の“地目の構成”(畑地型-水田型)という土地利用の尺度による基軸で規定されていた。第二に,主成分分析の計測結果をもとに遊休農地面積(被説明変数)を農業集落の主成分得点等(説明変数)に回帰したところ,遊休農地面積は,“兼業農家の指向性”が大規模な第1種兼業農家,“地目の構成”が水田型集落,“集落の外形的な大きさ”が大きく,「借入耕地面積」が小さな農業集落において,さらに“地目の構成”と“集落の外形的な大きさ”の相乗効果が加わることで増加していた。第三に,高山市久々野町大西集落における取組事例から,地域内における借地契約の更新の円滑化が重要であることが示された。(著者抄録)