抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
本稿は中国の戦国時代に流通した鏡を対象とした技術論的研究であり,また今後戦国鏡や戦国青銅器の研究を展開していくための基礎的研究でもある。戦国鏡の制作には,スタンプ状工具や原型が使用されたことが知られているが,その制作法については意見が分かれ,用語の統一もされていない。筆者は,侯馬鋳銅遺跡から出土した青銅器鋳造関連遺物と複数のコレクション鏡を対象に,実際の資料に残る痕跡を手掛かりとして,制作法について検討した。その結果,戦国時代中後期には前時期の青銅器製作に用いられた技術を引き継ぎ,印型・原型・鋳型を使用した段階的な鏡制作が行われていたことを明らかにし,コレクション資料や出土資料に見られる同型鏡・同印鏡がいかなる制作工程の中で生み出されたかを示した。それによって,今後は多くのコレクション鏡の制作時期や制作地を,出土資料との関係によって明らかにしていくことができると考える。(著者抄録)