抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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我々は,数学教育用のICTを活用した教材を製作する場合の基本概念を構築することを目的としている。まず,中学校の数学教科書で現在利用されている「相似の定義」の歴史的な変遷を調査した。続いて,現在使われている中学校数学の教科書を教科書会社別に比較研究することとした。平成28年の文部科学省検定教科書を詳しく調べることで,数学的背景の深い理解が得られ,ICTを活用した教材構築に役立つと考えた。調査の結果,現在の中学校で使われている相似の定義は,ユークリッド原論の定義や菊池大麓の定義ではなく,図形の拡大や縮小の概念が使われていることが明らかとなった。また,その原因として,20世紀初頭に起こったペリー運動がその根底にあることがわかった。また,平成28年の文部科学省検定教科書の調査の結果,現在の中学校で使われている相似の定義は図形の拡大や縮小の概念が使われているが,その文章表現方法に差異があることが明らかとなった。また,相似の位置の教材配列は大きく違っていることが明らかとなった。(著者抄録)