抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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イラクのクルド地域は農業が盛んで,穀物,野菜,果樹が栽培されている。果樹はモモ,アンズ,スモモ等の核果類を中心にブドウ,ザクロ,オリーブ等が栽培されている。核果類の栽培は整枝剪定,摘果,袋掛けなどの栽培管理はほとんど行われない。害虫はタマムシ類,カミキリムシ類,シンクイムシ類,アブラムシ類,ハダニ類の被害があり,特にタマムシ類の被害が激しい。タマムシ類の被害はモモが最も多い。核果類を加害するタマムシ類は7種が確認さてているが,主要種は大型のCapnoidis tenebrionisと小型のSphenoptera dhia-ahmediの2種である。これらによる被害及びC.tenebrionisの生態について解説する。クルド地域では生物農薬や土着天敵への期待があり,総合的害虫管理の重要性は認識されているが,タマムシ類に関する調査・研究は始まったばかりで今後の課題である。殺虫剤(昆虫寄生性線虫剤,クロルピリホス剤)のタマムシ成幼虫に対する防除効果は高いが,当地域では化学農薬に対する抵抗感が強い。当面考えられる防除技術として網掛け栽培,成虫の捕殺などの可能性を解説する。