抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
トラクタ,コンバイン,田植機などの農業機械は,水稲作10a当たりの作業時間を1964年の147時間から2010年の26時間にまで短縮することに貢献した。しかし,農業生産の能率化に貢献を果たした農業機械化において,農作業事故という弊害が指摘されている。本稿では2014年度に新潟県内で発生したトラクタ転覆・墜落事故の事例を報告する。水稲作において国内有数の生産地である新潟県のトラクタ転覆・墜落事故の実態を調査・分析することで,今後の農作業事故防止に貢献することが目的である。事故事例は新潟県農業共済組合連合会(NOSAI新潟)の協力により,2014年度農機具共済支払実績報告書から抽出した。対象事故は4月から5月に件数がピークに達し,この2か月で全体の53%を占めた。10月は収穫後の整地や秋打ちの作業により事故の割合も増大した。さらに,12月には除雪作業に関連する事故が4件発生した。新潟県において4月と5月に事故が集中した一因として,他の都道府県に比べトラクタの使用が水稲作に集中していることが挙げられる。4月と5月に発生した事故状況を抽出すると,道路を移動中の事故,圃場の進入・退出での事故,代掻き作業中の事故など水稲作に関連した事故が多発した。冬はトラクタを使用する頻度が低下することから,農閑期後のヒューマンエラーに起因する操作ミスや農業機械管理および整備の不備が事故の原因になり得る。(著者抄録)