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J-GLOBAL ID:201702215535415220   整理番号:17A0330552

XFELにより捉らえられたPSIIでの光誘起構造変化とO=O結合形成部位

Light-induced structural changes and the site of O=O bond formation in PSII caught by XFEL
著者 (51件):
資料名:
巻: 543  号: 7643  ページ: 131-135  発行年: 2017年03月02日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 短報  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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光化学系II(PSII)は,20の異なるサブユニットからなる巨大な膜タンパク質複合体で,単量体の全分子重量は350kDaであり,その触媒中心である酸素発生複合体(OEC)で光によって駆動される水の酸化を触媒する。PSIIの構造は放射光のX線により1.9Å分解能で解析されており,それによりOECがMn4CaO5クラスターであって,非対称の「歪んだイス」型の構造を取っていることが明らかになっている。さらにフェムト秒X線自由電子レーザー(XFEL)を用いた解析からは,「放射線損傷のない」Mn4CaO5クラスターの構造が得られた。しかし,反応中間体状態の構造がまだ得られていないため,O=O結合形成機構は不明のままである。今回我々は,SPring-8オングストロームコンパクト自由電子レーザーから提供されるXFELを用いる時間分解連続フェムト秒結晶構造解析によって明らかになった,室温で2回のフラッシュ照射により誘起されたPSIIの構造変化について,2.35Åの分解能で記述する。2回フラッシュ状態と暗順応状態の間の同型差フーリエマップから,QB/非ヘム鉄周辺とMn4CaO5クラスター周辺という2つの領域で明白な構造変化が認められた。QB/非ヘム鉄領域の周りでの構造変化は,2回のフラッシュ照射により誘起される電子とプロトンの移動を反映していた。OEC周辺領域では,Mn4CaO5クラスターから3.5Åの位置にある水分子が2回のフラッシュ照射に伴いマップから消えた。これにより,もう1つの水分子と酸素原子O4間の距離が短くなり,ここでもプロトン移動が起こっていることが示唆された。重要なことに,2回フラッシュ状態から暗状態を引いた同型差フーリエマップにより,Mn1とMn4の疑似中心に位置する独特のμ4架橋酸素であるO5周辺に明白な正のピークが示された。これは,O5近傍への新たな酸素原子(O6)の挿入を示唆していて,これらの2つの酸素原子間の距離(O=O距離)は1.5Åとなる。これにより,以前に提案されたものと整合性があるO=O結合形成機構が得られた。Copyright Nature Japan KK 2017
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分類 (2件):
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光合成  ,  有機天然化合物の結晶構造 
タイトルに関連する用語 (5件):
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