抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
信州大学農学部AFC手良沢山ステーション・野田ヶ沢流域(37ha)において水文観測および浮遊上砂濃度観測を行い,源頭部森林流域の水・土砂流出特性の解明を試みた。観測期間中,この流域では無降雨期間でも常に流出が見られた。降雨時の流出応答は非常に鋭敏で,花崗岩類を基盤とする流域特有の流出特性が確認された。浮遊土砂濃度は基底流出時(平水時)には10~20mg/L程度を推移したが,降雨時には流出高にほぼ同期して増加した。流出高と浮遊土砂濃度を時系列で見ると,反時計回り(左回り)のループ(ヒステリシス)が見られ,水位が逓減し始めているにもかかわらず,浮遊土砂濃度が増加する出水イベントもあった。このことから,不安定土砂が生産・流出して河道に十分に供給されることにより,出水時に浮遊土砂濃度が即時に上昇するプロセスが推察された。現地踏査により,増水時に流路に面した斜面脚部が洗掘を受ける状況や,未舗装の作業道で降雨時に地表流が発生し,路面から流路に水と土砂が流入する状況が確認されており,これらの土砂生産源が流路への不安定土砂の供給に関与していると考えられた。(著者抄録)