抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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産業技術総合研究所地質標本館に保管されている北海道枝幸町(旧歌登町)の中部中新統タチカラウシナイ層から産出したDesmostylus歌登標本は,一部が記載されたが他は未記載のままであった。本論文では,これらの未記載標本の記載を行う。歌登標本は,その形態と産出層準から,第1~第7標本の中で保存が良く同定可能な標本のすべてが同一種Desmostylus hesperusであるとみなされる。本論文で扱った歌登第3標本は,いくつかの骨を含んでいるが,これらは同一岩体から得られたものであり,ほぼ同じ成長段階を示し,骨要素に部位の重複がない。したがって,これらは同一個体由来である蓋然性が高い。この第3標本の茎状舌骨,切歯,脛骨を他のD.hesperusである歌登第1標本(標本番号GSJ F07743)と気屯標本(標本番号UHR18466)と比較すると,第3標本では,茎状舌骨はより華奢で,切歯の咬耗形態が異なっており,脛骨は他と異なりほとんど捻転していない。これらの形態はD.hesperusのなんらかの種内変異もしくは保存状態の差異を表していると考えられる。(著者抄録)