抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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コケ植物の仮根の水分吸収に関する先行研究を調査した。その結果,スギゴケ科のセン類の茎の部分に生じた仮根が,外部通道と呼ばれる働きにより水分を茎葉体部に運搬していることを見出した。現行の中学校理科の教科書では,コケ植物の仮根の働きは「おもに基物への固着である」と記述されているが,今回の文献調査で水分の吸収・移動にも重要な働きをしていることが確認された。スギゴケでは茎の部分に発生する仮根が土壌中の水分を植物体上部まで運搬する役目を果たす。またゼニゴケの仲間では平滑型仮根は水分を葉状体の柔組織に供給し,有紋型仮根の束が毛細管の役目により水分を葉状体から離れた雌器たくまで運搬する。コケ植物の仮根の働きを教科書に記述するなら,水分の吸収や移動の働きを担っていることを明記すべきである。