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J-GLOBAL ID：201702220316121115   整理番号：17A1951093

格子振動による熱ホール効果

著者 (2件)： 杉井かおり (東大 物性研) ,  山下穣 (東大 物性研)
資料名： 固体物理  (Solid State Physics)
巻： 52  号： 12  ページ： 783-792  発行年： 2017年12月15日 
JST資料番号： F0158B  ISSN： 0454-4544  CODEN： KOTBA2  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 絶縁体においてもスピン励起(マグノン,スピノン)や格子振動(フォノン)が仮想的磁場の効果によってその軌道が曲げられることで,ホール効果と類似の,熱ホール効果が生じる。磁性絶縁体について観測されたマグノンの熱ホール効果を紹介し,磁気秩序のない常磁性状態におけるスピン励起の熱ホール効果とTb₃Ga₅O₁₂(TGG)におけるフォノンによる熱ホール効果の実験結果を述べた。しかし,後者はスピン励起による熱ホール効果である可能性を否定しきれないため,著者らは量子スピン液体候補であるBa₃CuSb₂O₉に着目し,その縦熱伝導率と熱ホール伝導率を詳しく測定した。フォノンによる熱ホール効果を観測し,低温では熱ホール伝導率の絶対値が音頭の2乗に比例することを明らかにした。熱ホール効果が観測されたとするTGGにおいても,熱ホール伝導率がどのような温度変化をするかを調べることが非常に重要であり,両者を比較することで熱ホール効果の理解が深まるであろう。

シソーラス用語： *輸送現象 ,  *強磁性体 ,  *絶縁体 ,  励起 ,  *マグノン ,  *スピノン ,  *格子振動 ,  *フォノン ,  テルビウム化合物 ,  ガリウム化合物 ,  酸化物 ,  バリウム化合物 ,  銅化合物 ,  アンチモン化合物 ,  量子液体 ,  *熱伝導率
準シソーラス用語： *熱Hall効果 ,  強磁性絶縁体 ,  スピン励起 ,  量子スピン液体 ,  *格子熱伝導率

分類 (2件)： 格子振動の熱的・統計的性質  (BL03050G) ,  酸化物結晶の磁性  (BM06050E)

タイトルに関連する用語 (2件)： 格子振動 ,  ホール効果