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J-GLOBAL ID：201702220698960416   整理番号：17A1619533

人工色素の付加による光合成アンテナ色素タンパク質複合体(LH2)の光捕集機能の拡張

Extension of Light-Harvesting Ability of Photosynthetic Light-Harvesting Complex 2 (LH2) by Conjugation of Artificial Chromophores

著者 (2件)： 出羽毅久 (名古屋工業大学大学院工学研究科生命・応用化学専攻) ,  長澤裕 (立命館大学生命科学部応用化学科)
資料名： 生物物理(Web)
巻： 57  号： 5  ページ： 249-251(J-STAGE)  発行年： 2017年 
JST資料番号： U0689A  ISSN： 1347-4219  CODEN： SEBUAL  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 光合成生物は生育環境に合わせた多様な光捕集系を発達させており,「人工光合成」の観点からは,希薄な太陽光エネルギーを物質変換に利用するため,高効率な光捕集が重要である。ここでは,紅色光合成細菌のアンテナ色素タンパク質複合体(LH2)に人工色素を付加することで光捕集機能の拡張に成功した。LH2はバクテリオクロロフィルa(BChla)とカロテノイド(Car)が二種類の膜貫通型ポリペプチドに結合し,9回対称のリング構造を形成する特徴を持つ。LH2の吸収波長領域を拡張するために,波長領域に吸収・蛍光体を有する色素Alexa Fluor647(Alexa647)を用いた。詳細なエネルギー移動ダイナミクスを検討するため,フェムト秒過渡吸収分光等を行った結果,シンプルに蛍光色素を天然の光合成アンテナに結合させることで,吸収波長を拡張させ,天然のアンテナ系と同様の超高速領域でのエネルギー移動が達成できることが明らかとなった。

シソーラス用語： 光合成細菌 ,  *集光性色素 ,  タンパク質複合体 ,  バクテリオクロロフィル ,  可視吸収スペクトル ,  光合成 ,  エネルギー移動 ,  蛍光スペクトル ,  バクテリオクロロフィルA ,  紅色光合成細菌 ,  カロテノイド ,  微生物
準シソーラス用語： カロチノイド

分類 (1件)： 光合成  (EB10020I)

物質索引 (1件)： アレクサフルオル647

引用文献 (9件)：

• 1) Blankenship, R. E. (2014) Molecular Mechanisms of Photosynthesis, Wiley Blackwell.
• 2) 石谷 治ら編著 (2015) 人工光合成 光エネルギーによる物質変換の化学,三共出版,東京.
• 3) Yoneda, Y. et al. (2015) J. Am. Chem. Soc. 137, 13121-13129. DOI: 10.1021/jacs.5b08508.
• 4) McDermott, G. et al. (1995) Nature 374, 517-521. DOI: 10.1038/374517a0.
• 5) Mirkovic, T. et al. (2017) Chem. Rev. 117, 249-293. DOI: 10.1021/acs.chemrev.6b00002.

タイトルに関連する用語 (7件)： 人工 ,  色素 ,  光合成 ,  アンテナ色素 ,  タンパク質複合体 ,  光捕集 ,  拡張