抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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画像のサブバンド符号化の性能改善には,入力画像の特性に応じて二次元周波数帯域を分割することが有効である。Wavelet Packetは,サブバンド数を制限せずに符号化性能の改善を優先した適応分割を実現できるものの,各サブバンドに対して符号化器を設計するために多くの処理コストを必要とする手法である。それに対して,あらかじめ少数のサブバンド数を指定した条件で,入力画像に対して二次元周波数帯域の分割パターンを適応的に決定する最適帯域分割が提案されている。しかしながら,従来の最適帯域分割は,量子化前の各サブバンドの信号電力に基づいて分割パターンを決定しているため,量子化による影響が大きい低符号化レートの場合には,符号化性能が劣化する問題があった。そこで,本論文では,サブバンド数が少数であるというコスト面での利点を活かしたまま,レートひずみ理論の観点で,任意の符号化レートが指定されたときの二次元周波数帯域の分割パターンと,各サブバンドに適用する量子化器の組合せを同時に最適化する手法を提案する。提案手法では,ラグランジュの未定乗数法を用いて両者の最適化問題を定式化した後に,符号化レートを指定するだけで,自動的に最適な分割パターン及び最適な量子化器の組合せを求めるアルゴリズムを開発する。実画像に提案手法を適用した結果,従来の最適帯域分割と比較して,最大で約1.0[dB]の符号化性能の改善が確認された。また,Wavelet Packetとの比較においては,同等の符号化性能を得るときの処理コストを25%以下に抑えられることが明らかになった。(著者抄録)