抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,天然ガス精製プラントにおけるCO
2回収貯留技術の経済性向上を目指し,化学吸収法における新規CO
2分離回収技術の開発を行った。新規技術「HiPACT」では高温耐久性および高吸収性能を有する溶剤を用い,CO
2放散塔の圧力を上げて圧縮コストを削減する。開発は4フェーズから成る。フェーズ1では溶剤スクリーニングを行い,候補溶剤を見出した。フェーズ2ではパイロット装置を設置し,14000時間を超える長期運転を通して新規溶剤の高温耐久性を実証した。またCO
2吸収性能のデータを得て,従来より吸収容量を20~40%増加できることを確認した。フェーズ3では商業プラントのCO
2分離回収溶剤を新規溶剤に入れ替えて実証実験を行った。運転条件を変えてデータを取得した。試験結果から,従来法に比べ25~30%のコスト削減が可能と考えられた。現在はフェーズ4で商業第一号機を稼働している。この新規技術は今後の二酸化炭素回収貯留技術推進のための第一ステップとして貢献できると期待される。