抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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カナダ在住二世帯家族の日本人主婦21名を対象に,和食に関する意識調査および夕食の献立内容調査を行い,和食の取入れ状況と子どもへの伝承意識について調べた。和食のユネスコ無形文化財への登録および一汁三菜の認知率は各々76.2%(n=16),90.5%(n=19)であり,日本在住の日本人を対象とした認知率とほぼ一致した。「和食は誇れる文化である」と意識する対象者は85.7%(n=18)であり,第一子における和食だしの認知と相関が高かった。正月のおせち調理,大晦日の年越しそばは8割近くの対象者が食事に取り入れており,和食文化継承理由として「日本人としての意識,誇りを持つことにつながる」が最も多く,次いで「栄養バランスなどにおいて和食が優れるから」が挙げられた。日本在住の日本人の献立(n=760)に比べてカナダ在住の日本人の献立(n=268)では,調理時間が短く,食事にかける時間は長く,一汁三菜を満たす献立率は低いものの,和風の味付けのみで構成された献立率は日本との間に有意な差(p<0.05)が見られなかった。食材調達環境の影響で魚料理に関する喫食頻度は低いが,白飯,味噌汁,うどん,野菜炒め,豚の生姜焼き,野菜のお浸し,野菜の煮物などの代表的な和食献立の喫食頻度は日本におけるそれとほぼ一致しており,和食を積極的に献立に取り入れていることが示された。(著者抄録)