抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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始めに自動車の軽量化に寄与する自動車車体接着の現状と技術動向を論じた。現在自動車車体接着の主流になっている,エポキシ構造接着剤と点接合抵抗スポット溶接を併用するウェルドボンド接合について記した。また,車体の一部にアルミニウムや繊維強化複合材料を使用したマルチマテリアル車体における接着剤の使用を論じた。次いで,車体接着の技術上の課題を生産および性能の両面から解説した。生産面での主な課題として,被着体の表面状態に無関係に接着可能であること,未硬化状態でも吸湿性が少ないこと,低温,短時間で硬化すること,貯蔵安定性が高いこと,硬化後の残留歪が無いことなどを挙げた。性能面での主要課題としては剛性,強度,伸びなどの要求性能を同時に満足すること,使用温度範囲での性能変化が小さいこと,経時劣化が小さいこと,耐食性に影響しないことを挙げた。次いで,経時劣化に関連して著者らが開発した市場での劣化予測技術を紹介した。最初に車体接着の劣化を導く種々の要因を列挙した。接着剤に対する最も厳しい劣化要因は水分であると考え,一液熱硬化エポキシ系接着剤を対象に,吸水による接着強さの変化,FTIRによる化学構造変化,特に加水分解,動的粘弾性に基づく架橋密度変化を調べた。それらの結果から,加水分解度と接着強さの間に高い相関性があり,加水分解度が接着の劣化指標として有用であることを見出した。市場から求めたの中古車のウェルドボンド接合部位の試験からもこの劣化予測指標の有用性が確認できた。