抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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六甲高雄観測室は万福寺断層を貫く新神戸トンネル内にあり,断層破砕帯からの定常的な地下水流出が観測されてきた。流出挙動は地震動の影響を受け,モデルに基づいて透水係数が変化するためであると解釈される。断層からの距離が異なる3地点に水位計を設置し,地震動による影響の調査を行った。2016年には,4月1日三重県南東沖の地震(M6.5),4月16日熊本地震(M7.3),10月21日鳥取県中部地震(M6.6)が発生し,いずれも流出挙動に変化を及ぼした。換算された間隙水圧変化の挙動は,地震動到達とともにステップ状に増大し,その後,指数関数的減少による回復を示した。3個の地震による観測点での震度はそれぞれ,1.6,2.2,2.9であり,震度とともに水圧変化も増加の傾向を示したが,最後の地震ではほぼ頭打ちとなった。モデルに基づいて求めた透水係数の変化は,破砕帯に近い地点で上昇,遠い地点では低下となり,また,最後の地震では全て低下となった。以上の結果から,亀裂の目詰まりの様相が,破砕帯からの距離や地震動の大きさによって異なりそうであるという推測がもたらされた。