抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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背景:ヘベイン様ペプチドは,29~45個のアミノ酸からなるシステインに富んだキチン結合ペプチドのファミリーである。それらのキチン結合特性は,真菌に対する植物防御に必須である。それらの配列中のシステイン残基の数に基づいて,それらは3つのサブファミリーである6C-,8C-および10C-ヘベイン様ペプチドに分けられる。3つのサブファミリーの全ては,シグナルペプチドや,成熟ヘベイン様ペプチドおよび8C-および10C-ヘベイン様ペプチドにおいていては蛋白質カーゴを有するヒンジ領域を含む,C末端ドメインから成る3ドメイン前駆体を含む。結果:ここでは,Moringaceae科に属する耐乾性の樹木であるMoringa oleiferaに由来する,morintide(mO1およびmO2)と命名された2つの新規な8C-ヘベイン様ペプチドの単離および特性評価を報告する。プロテオーム分析により,morintideは44個のアミノ酸残基を含み,システインや,グリシンおよびアスパラギンおよびグルタミンのような親水性アミノ酸残基が豊富であることが明らかになった。Morintideは,キチンに結合し,植物病原性真菌の増殖を阻害することができ,熱的および酵素的分解に耐性である。トランスクリプトーム解析は,それらが,小胞体(ER)シグナル配列や,成熟ペプチドドメインおよびC末端ドメインを含む3ドメイン前駆体を含むことを示した。Morintideを他の8C-ヘベイン様ペプチドと区別する顕著な特徴は,短く蛋白質カーゴフリーなC末端ドメインである。以前は,類似の蛋白質カーゴフリーなC末端ドメインは,裸子植物のGinkgo biloba由来の8C-ヘベイン様ペプチドであるginkgotideにおいてのみ観察されていた。従って,カーゴフリーなC末端ドメインを有するmorintideは,被子植物由来の8C-ヘベイン様ペプチドの類のないクラスである。結論:著者らの結果は,ヘベイン様ペプチドの既存のライブラリーを拡大し,ヘベイン様ペプチドファミリー内の分子多様性を明らかにする。著者らの研究はまた,8C-ヘベイン様ペプチドの抗真菌活性および安定性をも明らかにする。(翻訳著者抄録)