抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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カバノキのコルク組織は,形成後何年も幹表層にちぎれずに留まる。幹の肥大に対応できる性質と構造を備えているためと考えられるが,引張過程での力学的な挙動や組織構造の変化に関して不明な点が多い。そこで,ウダイカンバのコルク組織を用いて引張破壊試験を行い,破壊形態や引張による構造変化を顕微鏡的に観察するとともに,小枝におけるコルク細胞の経年的な寸法変化を調べた。引張破壊は,壁切断破壊によって起きた。湿潤状態では極めて大きな延性を示した。破断部以外では,細胞内容物の亀裂が多く見られたが,細胞の剥離などの破壊現象はあまり見られなかった。小枝の最外層のコルク細胞は,形成後の経過年数が大きいほど接線方向の長さが大きく,放射径が小さかった。湿潤状態におけるコルク組織の極めて大きな延性は,カバノキのコルク組織が平滑さを維持して樹幹に長年残存することに寄与していることが考えられる。(著者抄録)