抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
繊維産地の盛衰における毛紡績の毛織物業の戦前の歴史について述べた。具体的には,まず,1900年代に日本の毛織物は毛布,羅紗,セルジスなど洋服,軍服地,モスリン,セルなど薄地織物が増加し,一般の人々の服装は洋装化が進展したことを述べ,毛織物に加え,セーター,カーディガン,ショール,靴下などメリヤスの需要が増え,国内毛紡績のメリヤスへの参入が始まり,この時期の毛紡績の主力生産になっていく手編み毛糸と編物の普及にも言及した。次いで,1890年代末における織物主導で梳毛紡績が発展し,日本毛織会社が主座を占めたこと,日本毛織会社に対抗して,河崎助太郎が毛紡績で一大新興勢力を築き,戦後の化学繊維の発展にも寄与したことを述べた。さらに,羊毛工業が著しい躍進を見せた1930年代における大日本紡績を始めとする綿紡績の毛織物への進出に触れ,世界第2位の地位となるが,戦争で設備の大半を失うことになったことを述べた。