抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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技術はその革新性や技術的特質から社会的インパクトが大きいと予想される場合,社会的イメージを喚起するが,それが予定調和的に実現されないと反動で冬の時代を迎えることがある。本論文では,人工知能やロボットをめぐる社会的イメージを検討するために,マスメディアとして新聞3紙を調査した。2017年6月1日に「人工知能」あるいは「ロボット」の1語による検索を行い,それらに関わる新聞記事数の経時的変化を調べた。その結果,日本の社会的風潮として人工知能の第一次ブーム(1956~1960年代)は存在せず,1980年代半ばの第二次ブームの時代に新聞記事数は増加し,2013年以降はそれを上回る記事数が確認された。また,ロボットは1970年代までは少なく,1980年を過ぎた頃から記事数が増え始め,再び第三次ブームに増えて2016年以降に本格的なブームが生じていることがわかった。また,KH Coderを用いて新聞記事の計量テキスト分析を行ったところ両者は似たような言葉で語られ,2013年以降の人工知能・ロボットへ向けられる言説は過去と比べて特別なものではなく,家事や介護,仕事,芸術,軍事や人間の尊厳に関わる言及について同質の議論がなされていた。時間的普遍性の高い議論が以前からなされているが未だに実現されていない事象が多いので,全く新しいことのように語るべきではないことを論じた。